数あるディズニー映画の中でも光り輝く金字塔ともいうべきアニメ作品「美女と野獣」のヒロインは、もちろんベルですよね。
このベルは見た目も心も美しいキャラクターなのですが、一部視聴者からは「わがままで性格が悪い」「嫌い!」という声があるのも事実です。
このページでは美女と野獣のベルは本当に自分勝手で性格が悪いのか、気になる部分を検証していきたいと思います。
美女と野獣のベルがなぜ性格が悪い・わがままといわれいるのか?
私自身、ディズニー制作アニメ版の美女と野獣は10年以上前に1回だけ見たことがあり、その時は何の先入観もなかったので、キュートで心の綺麗なベルは素晴らしいヒロインだと思いました。
ただ今回、一部で囁かれている「ベルは性格が悪くてわがまま論」を耳にして、改めて注意深く見直したところ、気になる箇所が結構見つかりましたね。
受け取り方は人それぞれ違うので的外れかもしれませんが、ベルが身勝手だといわれている理由について、気になる箇所を紹介していきます。
他人を理解しようとせず上から目線
美女と野獣のヒロインであるベルはいつも本を読んでいる空想家で、町の人たちからは風変りな娘だと思われています。
そして物語冒頭の挿入歌「朝の風景」において、「いつも同じ」「毎日同じ顔ぶれ」という歌詞がありますね。
これは田舎町での毎日の生活に辟易している、ベルの心情が表れているのでしょう。
また自分が読んだ本のタイトルを聞こうともしないパン屋のおじさんに対して、ベルはなかば呆れたような顔をします。
この態度は見方によっては、上から目線で人をバカにしている性格の悪い女と感じる人もいるでしょうね。
本屋から帰宅した父親との会話では、自分が村人から変わっていると思われている理由について「分からない」として、「街に馴染める自信がない」というセリフをいっています。
これなんかは裏を返せば、ベルが街に溶け込む努力をまったくしていないことが伺えます。
また田舎でつつましく生きている人たちを平凡でつまらないと決めつけ、理解しようとしていない風にも受け取れますね。
頭の中がファンタジーでいっぱいの空想家、他の人に流されない言動というのはベルの魅力の1つでもありますが、逆に自己中で嫌な女だと感じる視聴者もいるでしょう。
自分から身代わりになったのに未練や不満がタラタラ
ベルと野獣の出会い・お城に閉じ込められるそもそものきっかけは、ベルの父親であるモーリスが城に無断で入ったことが原因です。
またアニメでは描かれていませんが、実写版だとこのモーリスはベルへのおみやげとして、お城に咲いているバラを勝手に盗むという罪まで犯しています。
そして捕まった父の身代わりとして、人質となることをベルが自ら申し出たにも関わらず、外の世界への未練や不満がタラタラな感じが、わがままと思う人もいるようです。
それに対し野獣は、自分にかけられた呪いの魔法を解きたいという思惑はあれど、ベルを父親同様に冷たい牢獄に閉じ込めるのではなく、立派な部屋を用意して晩さんにも誘っています。
また西のはずれの部屋以外、城の中ならどこに行っても良いことを許可するなど、囚われの身というよりはお客としてもてなそうと努力していました。
ですがベルは提案された晩餐を強くつっぱね、嘆き悲しむ姿をみせるわけですが、その態度をみて「自分から身代わりになることを申し出たのにそれは身勝手」という意見があるようです。
・もう父親と会うことができない
・一生自由に歩き回ることができない
・恐ろしい外見の野獣に捕えられてしまった
などのような背景があるので、これが理由でベルが嫌いという人がいるなら、少し厳しすぎるかなと個人的には思います。
入ってはいけない西のはずれの部屋に勝手に行く
前もって野獣から「西のはずれの部屋には行くな!」と厳しく注意されていたのに、ベルはその言いつけをあっさりと破って部屋に入ってしまいます。
このベルの行動について、「人質としては破格の対応を受けているのに、あまりにも自己中心的でわがまま」という感想を持つ方がいました。
また案内役として同行していた、燭台のルミエールや時計のコグワースが必死に止めているのに知らん顔というのもマイナスポイントなのでしょう。
晩餐を断って何も食べていない自分に豪勢な夕食を作ってくれるなど、城の召使いたちはどうやら自分の味方という感じにもベルは気づいているでしょうしね。
さらに部屋に入るだけでなく、野獣含めお城の人間たちの運命を握っている大切な魔法のバラにまで触ろうとしているわけで、これは責められてもおかしくない行動ではありますよね。
速攻でお城を出る、素直に謝らずに逆ギレする
言いつけを守らず部屋に侵入して野獣から激高されたベルは、「あんな約束したけど、もうここにはいられない」と即効でお城を出ていきます。
このシーンを観て私なんかは、「え?そんな簡単に出れるの?」と思ったのですが、よくよく考えてみれば、確かにベルは支離滅裂というか暴走している感が目立ちますね。
その結果、街に帰る道中でベルは狼に襲われ、危ない所を野獣に助けてもらうことになりました。
また狼から身を挺して助け負傷した野獣に対して、「あなたが脅かしたから逃げた」、「すぐカッとなるのがいけない」などのセリフを吐く始末。
自分がとった行動で勝手にピンチになり、助けてもらったのに謝らないで逆ギレする様子を見て、ディズニーヒロインらしからぬ性格の悪い女ととる人は少なくないようですね。
「ベルが嫌い・性格悪い論」の中でもここらへんのシーンは、個人的に一番気になった個所ではあります。
父親に会いたいとして躊躇なく城を後にする
狼に襲われていたベルを野獣が助けたことによって、2人の距離はグッと近づくことになります。
それ以降は楽しそうに一緒に食事をし、雪をぶつけ合ったりするなど2人の思いがドンドン通じ合っていく過程が描かれていきます。
そして着飾った2人がダンスを踊る作中屈指の名シーンの後、ベルは「父に会いたい」と言いだします。
さらに野獣が持つ魔法の鏡によって、父親のモーリスが病気で床に伏せていることをベルは知るのです。
その結果、野獣はベルをもう囚われの身ではないとして、外に出すことを許可するのです。
愛する女性のために苦渋の決断をしている野獣に対し、ベルは「私の気持ちを分かってくれてありがとう」と、ほとんど躊躇することなく城を後にするんですね。
このシーンに関して、「もう少し野獣に何か言うことないのか?」と私も思うぐらいでしたし、解放されて嬉しそうな感じを出しているベルには違和感を覚えましたね。
村人たちに野獣の存在を教え危険にさらす
野獣の存在を訴えるモーリスを、村人は狂人扱いして病院へ連れて行こうとします。
その父親を助けるために、ベルは野獣からもらった魔法の鏡を使って野獣が実在していることを村人たちにバラしてしまいます。
結果としてこの行動によって、ガストン含む村人たちがお城に攻め込む原因となりました。
実際問題、ベルからしてみれば父親を助けることが最重要であり、ガストンと結婚する以外で強制連行を阻止する方法はこれしかなかったでしょう。
ただこの行為が、野獣や城の召使いたちを危険にさらす直接的な理由となったことも事実なので、非難の声が挙がるのも仕方ないでしょう。
このページのまとめ
以上、ディズニーのアニメ映画「美女と野獣」のベルについて個人的な考察・感想を書きました。
男性である私からすれば、ベルは心も容姿も美しいスーパーヒロインというイメージでしたが、問題行動ばかりで性格が悪いという感想があるのも事実です。
実際ベルについて矛盾点や自己中心的な部分がないかを探しながらアニメを見返すと、気になるところは確かにありましたからねw
魅力と欠点は紙一重ですし、物語の都合上どうしようもないところも多々ありますが、「ベルはわがままだから嫌い」という意見があるのも、致し方ないといった感じでしょうか。