アニメの考察・感想

サマーウォーズ|アニメの様々な魅力を一気に楽しむことができる超名作!

今回おすすめしたいのは、日本でトップクラスの人気・知名度を誇る細田守さんの名作アニメ「サマーウォーズ」です。

毎年夏になると必ずといっていいほど、地上波放送してるイメージがありますが、私も今まで通しで5回は見ているほど大好きな作品ですね。

サマーウォーズのあらすじ

自分に自信がなく、あまり冴えない高校生活をおくっていた健二が、密かに思いを寄せている学校のアイドル夏希に頼まれて、長野県上田市の田舎へと行くことに。

田舎の屋敷には16代続く由緒正しき陣内一族26人が、当主である栄おばあちゃんの誕生日を祝うために集まっており、健二はそこで夏希の婚約者のふりをすることになります。

個性豊かな面々に多少たじろぎながらも、新鮮な触れ合いを楽しんでいる健二ですがそんな中、謎の巨大人工知能によって仮想空間OZが乗っ取られるという事件が発生。

OZのアカウントは現実世界のありとあらゆるインフラにも結び付けられているので、社会に様々な影響を与え、世界全体が一気に大混乱となってしまいます。

そこでOZを乗っ取っている人工知能を倒すべく立ち上がったのが、健二と夏希を含めた陣内一族なのですが、果たして無事世界を救うことができるのでしょうか?

家族、友情、愛情、ハイテクノロジー、ノスタルジック、青春、主人公の成長などたくさんの魅力を一度に楽しめる超名作アニメです。

特にここを見てほしい!サマーウォーズの4つの注目ポイントをピックアップ!

サマーウォーズを観たことがある人の声でとても多いのが、「何回観ても飽きない」ということですね。

これについて私的な意見ですが、アニメ作品として素晴らしいクオリティでありながら、年代問わず共感できる普遍的な要素がたくさんあるからだと思います。

ということでそんなサマーウォーズの中でも、特に「ここを見てもらいたい!」と思ういくつかのポイントをピックアップしていきます。

古き良き日本の田舎の風景を堪能できる!

サマーウォーズの舞台となっているのは、長野県上田市。

ノスタルジックを感じるぐらい長閑で自然あふれる古き良き田舎の風景は、中途半端な都会育ちの私にとってはすごく新鮮に映りました。

実際に住めばいろんな不満があるかもしれませんが、「こんなキレイな場所で青春時代を過ごすことができたらな」と、この作品を見るたびごとに思わされてしまいます。

また作中では、陣内家一族が本家の屋敷に一堂に集まるわけですが、これが雑多な雰囲気で大賑わいなんですね。

私の実家は親戚とも疎遠で、あのような大家族の喧騒を味わったことがないので、これもすごい憧れてしまいますね。

そして、そんな田舎の大屋敷から見える空が本当に美しい!

青々とした空が効果的に使われるというのは、細田作品に共通する特徴ですよね。

このサマーウォーズでも、澄んだ空に浮かぶ大きな入道雲が頻繁に登場し、作中の素晴らしいアクセントとなっています。

なにはともあれ、本格的な田舎の風景を知ることができない大人でも、サマーウォーズを観ることでたっぷりと堪能することができるのは大きな魅力の1つですね。

最初は頼りなかった主人公・健二の見違えるような成長ぶり!

主人公である小磯 健二は、内気で学校でもあまり目立たないタイプの男子高校生です。

学校のマドンナ的存在の夏希に密かに憧れているものの、思いを告げるなどは到底できず、毎日部室でパソコンと向き合う日々。

もともと健二は頭脳明晰で、国際数学オリンピックの日本代表を狙えるレベルなのですが、代表を逃したことをずっと気にしていてクヨクヨとしています。

そんな健二が陣内家との邂逅やネット上でのつながりを得ることで、次第に表情や言動が変わっていき、ドンドン魅力的な男性へと成長していくのです。

そのきっかけとなった重要部分はなんといっても、栄おばあちゃんに夏希のことをお願いされたシーンでしょう。

健二は自分に自信がないことを告げるも、「あんたならできる!」と笑顔で力強く励まされ、それが栄おばあちゃんの最後となりました。

その後の健二は、仮想世界OZでのアカウント乗っ取り事件や、強大な人工知能プログラムに対して積極的に立ち向かっていくようになります。

キングカズマという最強のアバタ―までもが敵にやられてしまい、絶望的な状況になっても「まだ負けてない、何かまだ手があるはず」と1人諦めません。

いわば外様である健二のそんな姿勢に、陣内家の面々は励まされて一致団結し、さらにネット上で大きな渦となってそれが奇跡を運ぶのです。

物語の終盤、惑星探査機あらわしが数分後には陣内邸に落下すると判明した時も、健二は絶対に諦めませんでした。

残り時間のカウントダウンが続く中で、一心不乱に紙と鉛筆で計算を解いている姿と、最後の「よろしくお願いしまぁぁぁすっ!!」は必見の名シーンですし、本当に胸がうたれます。

映画やアニメなどは人それぞれいろんな見方がありますが、サマーウォーズは健二のひと夏の成長物語でもあると思いますね。

視聴者を圧倒する仮想空間OZのデザインや世界観!

サマーウォーズ内に存在する、インターネット上の仮想空間であるOZの世界観がこれまたすさまじく、明らかに見どころの1つとなっています。

このOZにはPC・携帯・テレビなどで簡単にアクセスできるのですが、まるで夢の中のレジャーランドのような空間なのです。

まずデザインは白を基調として、色とりどりの拠点や可愛いアバタ―が存在するPOPでスタイリッシュな空間で、そこを浮遊しながら自由に行き来することができます。

またあらゆる言語が一瞬で翻訳されるようになっているので、世界中の人間と同時にコミュニケ―ションをとることが可能となっており、その登録者数は10億人以上!

ショッピングでは世界中の専門店・ブランドが出店していたり、行政機関や各地方自治体もOZに窓口があるので、納税や各種手続きも可能。

サマーウォーズの世界では、生活に根付くありとあらゆるサービスがOZ内に全て存在しているという設定になっています。

初めてこのアニメを観てOZの世界観を知った時は率直に驚きましたし、「近未来はこんなことになるんだろうか?」とドキドキしたのを覚えていますね。

また「OZみたいなゲームがしたい!」と思って、アメーバピグやニコッとタウンなんかに手を出し、コレじゃない感を受けたのは私だけではないはずです。

そしてサマーウォーズが公開されたのは2009年で、その当時の世の中はまだガラケー全盛期なんですね。

一目でオーバーテクノロジーと分かるアンバランスさが、作中の不思議感の絶妙な演出にもつながっていると思います。

なんにせよサマーウォーズを見るなら、このOZのデザインや世界観は必見です。

人とのつながり・絆の大切さを再確認できる!

細田守さんの作品には、「時をかける少女」「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」「未来のミライ」など、人との絆・つながりが大きなテーマになっているものが多数あります。

このサマーウォーズもまさにそれで、「つながりこそが、ボクらの武器。」というキャッチコピーが付けられているぐらいです。

そもそも陣内家当主である栄おばあちゃんの90歳の誕生日を祝うために、26人の親戚が集まるというのが物語の始まりですね。

そこに夏樹の付き添いで健二が参加し、個性あふれる陣内家の面々とふれ合い変化していきます。

話の中盤にはOZの不具合によって混乱が発生した時、栄おばあちゃんが多くの知人に電話をかけまくって、「諦めるな」「あんたならできる」と励ましていく姿なんかは、まさに人とのつながりですよね。

しかも使っているのはダイヤル式の黒電話という、このギャップがまた印象的です。

そして圧巻なのが物語の終盤、人工知能との対決に敗れてしまった時のこと。

絶体絶命の状況に陥った夏希および陣内家に対し、1億人以上もの世界中のOZユーザーが自分のアカウントを託していくというシーンがあります。

世界を救うために奮闘している夏希たちに対して、リアルの世界を超えてインターネット上の無数の人間が1つになり、それが大きな力になった瞬間です。

正直このシーンを初めてみた時、泣いてしまいましたねw

上でも紹介しましたがサマーウォーズの世界は、世界中の人間がOZを使って生活をしている超ハイテクノロジーの時代。

その時代にあっても、リアルで温かい付き合いが作中では頻繁に強調されています。

そしてキャッチコピー通り、つながりによって人工知能との戦いに勝利するんですね。

家族愛・友情・愛情など種類は様々ですが、人とのつながりの大切さやその力について、サマーウォーズを見る度に改めて再確認している自分がいます。

サマーウォーズのまとめ

以上、アニメ映画であるサマーウォーズについて自分なりの考えや素晴らしいと思うところを紹介してきました。

細田守さんは他にも、青春や愛情要素がたくさん詰まった作品を出していますが、やっぱり私の一押しはこのサマーウォーズですね。

冒頭でも述べましたが夏になるとテレビでよく放送されているので、アニメや映画好きの人で1度も見たことがない人はあまりいないのかもしれません。

それでもまだ見たことがない人がいるなら、本当に老若男女楽しめて熱く感動できる内容なので非常におすすめです。

また私が最初に観たのは20代でしたが、30代の今になってみると何気ないシーンの受け取り方が違って見えたりするので、何回も繰り返して鑑賞してもらいたい作品です。